Kさんが日本政府と大林組、その下請けの三者を相手に裁判を起こした時のメールです。

 下のメールにもある通り、実は、この裁判において、もう一人の原告となっていた人まで、裁判の直前に、別件の微罪弾圧にあっており、現在勾留中です。こんなことが偶然だということがありうるでしょうか?

「 本日、大林組を提訴!」
2010年5月24日

○○○です。

 表記のように本日(5月24日)、日本国政府ならびに大林組とその下請けの三者に対する損害賠償請求裁判を大阪地裁にて提訴しました。

 概要は、私(○○○)が本名で新規入場登録し日雇いとして就労していた梅田阪急百貨店の解体工事の現場に於いて突然「通名」を強要されたという理不尽な「事件」に対する損害賠償請求です。裁判闘争に踏み切った動機は言うまでもなく昨今の排外主義同化攻撃に対する反撃です。

 今年は韓日強制併合100年、そして来年は多くの朝鮮人が差別的で劣悪な労働条件で就労し犠牲になった大林組が施工した生駒トンネル建設から100年になります。

 日本軍「慰安婦」問題の解決を求める水曜デモが行われている梅田歩道橋に「象徴」されるように過去の未清算植民地主義と戦前戦後を貫徹する差別と排外主義が覆う日本の状況に対しての、ささやかながらも反撃の突破口になればと願います。

 皆さんの幅広い支援とご理解を願います。

取り急ぎ、ご報告まで…。

大林組への裁判はじまる!」
2010年7月6日     

○○○です。

■7月8日(木)13時15分
大阪地裁510号法廷にて大林組三者に対する「名前」に関しての損害賠償請求裁判が始まります。
■本名か?通名か?名前を名のるというごく当たり前の日常茶飯事の「小さな出来事」をめぐっての裁判です。
■この裁判のことを在日二世の友人に話をすると、子供がファーストフードの店に本名で面接に行ったらパスポートを見せてくれと言われたそうです。数年前から入管に外国人の就労を報告することが義務付けられたことに連動する安直な窓口的な対応と思われます。
■日常生活において外国人が当たり前に本名を自然に名のることが、残念ながらこの日本の社会では大変難しいようです。少しでも多くの在日外国人の若い子弟が本名を自然に名のることができる社会にするために、この裁判がひとつの問題提起の場になればと思います。図らずもそれを大林組と鉄道資本の建設現場から始めなければならないのは歴史的な因縁を感じざるを得ないですが…。
■原告のひとりが別件で逮捕されたため私ひとりでの出廷になります。直前ですが多くの人々の傍聴、そしてご支援をお願いしたいと思います。

(注  別件で逮捕された原告の一人というのは、釜ヶ崎の日雇い労働者で型枠大工のMKさん。大阪地裁で住民票裁判に勝利した立役者。全くの別件、微罪で、この大林の裁判の直前に逮捕され、今も拘留中。)