犯罪者は警察のほうだ

ちなみに、Kさんの釈放は、法的には「起訴猶予」(犯罪は成立していて嫌疑有と判断しているが総合的にみて起訴を提起しないというもの)となっています。「犯罪」といっても免許証の住所を書きかえろ、とか、それだけのことです。身柄を拘束されるのも言語道断ですが、こんなことでさらに起訴なんかされた日にはたまりません。捜査も「終結」しているということで、他に家宅捜索に入られた強奪品はすべて「事件終結」ということで返却されたそうです。
ちなみに、たとえば免許証に実家の住所を書いていた、などということが「犯罪」である、とする警察の考え方にも、私は明白に反対します。下の記事に紹介するように、そもそもドヤなどを転々としていて定住せずに生活している人々や、実家などを含む複数の住所に住んでいる人々など、住所変更をすることが困難であったり、住所変更をすることに意味がないような生活の実態を持った人々は沢山います。法や制度は、現実に生きている人間に対応すべきであって、逆ではありません。
http://hatarakibito.at.webry.info/201008/article_7.html

こんなことで逮捕されるなら、誰でも、いつでも逮捕されてしまうことになります。

特に、釜ヶ崎に住む人間にとっては、ドヤを変わるごとに免許証の住所変更などできるはずもなく、またアパートを借りるといっても保証人を探すのは大変なことです。これはわしら釜ヶ崎の人間を日常的に犯罪者に仕立て上げようとする謀略です。これは行政の問題であり、公安が出てくる問題でないのは明かです。

だいたい、このことによって誰かが不利益をこうむったのか?誰かに損害を与えたのか?誰かを困らしたのか?そういうことが一切ないにもかかわらず、Kさんは逮捕されてしまいました。

Kさんがまさに、ドヤなどで生活する日雇い・野宿労働者の住民票が、大阪市によって一斉に、大量に削除され、様々な権利を剥奪されることに反対する運動に寄り添って映像を記録してきていたことを考えあわせると、あらためて、怒りがふつふつと沸いてきます。
http://kamapat.seesaa.net/article/37678827.html
 
その上で、呼びかけ文にも書いたように、これは「微罪弾圧」の典型的な事例であって、そもそもが恣意的な権力の濫用です。そして、下に示すように、「免状不実記載」などの「微罪弾圧」は違法であるという判決がすでに出ているのです。
つまり、犯罪者は警察のほうだ。
以下、「微罪弾圧」の実例を挙げておきます。
逮捕・捜索の違法性認め賠償命令 「免状不実記載」事件で横浜地裁
http://www.news.janjan.jp/living/0901/0901120233/1.php
神奈川県警の微罪逮捕・家宅捜査は違法だった  微罪逮捕国賠裁判で東京高裁でも原告勝訴 - 日刊ベリタ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200909110008395
9.15、神奈川県は上告を断念・「微罪逮捕弾圧」に完全勝利!-9.9高裁判決にいての分析
http://solidarity.blog.shinobi.jp/Entry/581/
 
2010年度の勾留請求却下率が0.77%(認容率99.23%)という日本司法の壊死が現実なら現実を撃とう
http://mukofungoj.sanpal.co.jp/memorigilo/1546/
警察・検察・裁判所は同罪です。