Kさんこと、金稔万氏のドキュメンタリ作品の紹介です

「長居テント村に大輪の舞台が立った!」
2007/カラー/DV/80分
撮影・編集:金稔万、布川徹郎
製作:NDU
2006年の靫公園と大阪城公園につづいて、2007年、長居公園テント村においても行政代執行という名の強制排除が行われようとしていた。それに対してテント村の野宿者と支援者は、舞台を立て「しばい」を演ずることで対峙する。コミュニティと家は破壊され、人間の物理的な「排除」が行われた長居公園テント村と、間髪をおかずそれに続いた釜ヶ崎日雇労働者住民票の大量削除「事件」。大阪市は、人を人として見ないどころか、そもそもその存在の事実すら「なかったこと」とし、抹殺した。
 
「釜の住民票を返せ!」
2008/カラー/DV/45分
監督:金稔万
撮影:布川徹朗、佐藤零郎、金稔万 
2007年3月、釜ヶ崎解放会館等に登録していた2088人の日雇い労働者の住民票が一斉に消除され、選挙ができないという前代未聞の「事件」が起こった。「派遣村」等に象徴される「貧困」や「格差」は報道されるが、寄せ場の問題、日雇い労働者や野宿者の「貧困」はほとんど知られることがない。「釜の住民票を返せ!」は2006年暮れの釜ヶ崎の通称「三角公園」での越冬闘争の撮影から始まる。同時に世界陸上開催を口実とした「長居公園テント村」の行政代執行の撮影も並行して行われていく…
 少数のスタッフによって短期間に作らざるを得なかった「記録」だが、「当事者」に伴走する視点での「映像記録」=「ドキュメンタリー」で在りえたいと思う。また、不可視の問題を可視化させることも「ドキュメンタリー」のひとつの使命だとも思う。例えば「アジアの中の釜ヶ崎」「釜ヶ崎の中のアジア」… 済州島出身の徳山さんに遭遇したのは2007年7月29日、自民党安倍政権下での参院選の投票日、センターでのことだ。今回、その徳山さんに遭遇した映像も加え再編集した。その後、同郷の在日朝鮮人二世である徳山さんに再会するため、あちこち訪ねてみたが叶わないまま時間が過ぎた。徳山さんは何故あの時、「外国人にも選挙権くれや!」と叫んだのか。外国人参政権が現実の問題として浮上し、またそれに反対する勢力が台頭する今、その意味を考えたい。グローバリゼイションの現在と過去の未精算の植民地主義との狭間で、二重三重に見えにくくなってしまった「貧困問題」をいかに映像化し可視化すればいいのか?(NDSブログより抜粋)
ゆふいん文化・記録映画祭松川賞入選作品

「釜の住民票を返せ」より
 
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