南美穂子の拘置所生活 (その2)

「働き人のいいぶん。」より。
http://hatarakibito.at.webry.info/201106/article_3.html

南美穂子の拘置所生活 (その2)


 房の中では監視されながらも楽しみを見つけて笑いあったり、家族の話になってしんみりしたり、励ましあったりしています。一番かわいそうだったのは、執行猶予が切れかけている時にパクられた人で、なんとか弁当(執行猶予)を食いきっていこうと、控訴や上告をしていますが、弁護士の動き方でそれも決まってくるようです。

 何回もパクられている人が、これから刑務所へ行く人に指導したり、拘置所ならではのオバケ話など色々な話がでます。話が盛り上がると刑務官から「うるさい!!」と注意されます。特に刑務官は、笑い声に厳しく注意してきます。

 私の房は、刑務官の作業台の前なので一番注意されやすいのです。

 日に何度か、捜検という名の持ち物検査があり、ロッカーがわりのキャリーバッグや棚、ノートの中まで検査されます。

 人から物をもらったり、シャバの時の連絡先を知らせあったりなどの違反が見つかると、懲罰されたり、房のメンバーをバラバラにして房を変わらせられます(転房)。仲良し転房というのもあり、仲良くなると、部屋のメンバーがバラバラにされることもあります。

 女区には色々な人がいて、「あの人絶対、えん罪やで」と言われている人もいます。その人は皆がえん罪(放火)と思うようなお嬢さんですが、その人の父親が怒って検事を刺したそうです。長く拘置所にいる人は皆無罪を主張している人です。なにかおかしい気がします。

 部屋は覚せい剤で捕まった人が多く、その人達には、ちがった意味で釜ヶ崎は有名です。○○の横のビルや○○さんが住んでいたビルはよく知られています。この間は○○組の先代の組長(ひどい覚せい剤中毒)とバクチをしたという猛者も私達の房にいました。(刑が確定して上に上がられました)

 その人は三角公園の炊き出しのこともよく知っていて釜話で盛り上がりました。

 皆、私の事件には「なんでそんな事でパクられるの?」と不思議がっています。

 拘置所ライフは私にはめずらしいことばかりなので、おもしろいかなと思って書きましたが、皆にはどうかわかりません。○○さんから手紙と写真受けとりました。ありがとう!救援のこと走りまわってもらって、署名もありがとう! 仕事がんばってね! 田植えの写真は元気をもらいました。盛会でよかったですね! なにげない手紙うれしいです。○○さんには礼状書きました。彼も大変ですね。それではまた! 今日はここまで。

(2011年5月25日 南)